プロイセンがいろいろあって大きな洋館に住むことになるというお話です。
時代、設定はパラレルと思ってください。


第一話「そして伝説は始まった」

その日、俺はドでかい洋館の前に立っていた。見渡す限りの塀がが続いているこの邸宅は一目見ただけでも金持ちの邸宅だと分かる。
自分の背の2倍はありそうな大きな門に玄関に続く石畳、広がる庭園、荘厳な屋敷、弟に渡された地図では確かにここのはずだそう思えんのだ。
「なんだよ ヴェストの奴 俺が求めたのはアパートの地図だぞ・・・」
俺は弟から紹介された新しい住み所に向かう途中だ。弟の友人が大家だという物件はアパートのような物だと言っていた。
「表札もかかってるしなぁ ここじゃねえのか・・・」
といっても閑静な住宅街が広がるこの近辺にはアパートみたいな建物があるようには見えない。
「・・・ヴェストに電話するか・・・」
弟には着いてから電話しようと思っていたのだが、場所が分からなければ着くはずもないので俺が携帯電話を取り出そうとした時、門が開いた。
「ギルベルト・バイルシュミットさんですね お待ちしていました。」
門から出てきたのは小柄な黒髪の東洋人だった。年齢も自分よりも若く見えた。
「ああ そうだが・・・」
「よかったです。到着が遅かったので心配してたところです」
「それで・・・俺が今日から住む家いうのは」
「ああ この屋敷の事ですよ よろしくお願いします」
ペコリとおじぎをした東洋人に俺も軽くおじぎを返した。
「あ~ 弟からはアパートのような物だと聞いたのだが・・・」
「そうですね 原理はそんな感じです。海外にはそれを指し示す物が無かったからでしょう」
「どういうことだ」
「簡単に言うとここではホームシェアリングという方式を取り入れています。」
「なんだそりゃ?」
「まあ 立ち話もなんですしお入りください。荷物は部屋に置いてあります。」
「じゃあそうするか・・・お前の事も聞きてえしな」
俺と東洋人は邸内に入っていった。
分厚い扉を開けるとそこには吹き抜けとなったロビーが広がっていた。
「どうぞ お座りください お茶を用意してきます」
しばらく待ってると東洋人はお茶と菓子を持ってきた。
「まずは私の自己紹介でしょうかね・・・ えっと本田菊と申します。ここの大家です。ギルベルトさんのことはルートヴィッヒさんから聞かされてます。とてもかっこいいお兄さんだと」
「俺はギルベルト・バイルシュミットだ。 俺は宇宙一かっこいいぜ」
「よろしくおねがいしますね」
「おう 世話になるぞぜ」
お互いの自己紹介をしたあと菊がお茶をついでさっきの話を話し始めた。
「えっと ホームシェアリングと言うのはひとつの家を何人かの人で使うような感じです。一人にひとつ自室があって、それ以外はほとんど共用という物件の事です。」
「つまりは俺の自由は自室しかないって言うことか?」
「まあ そういう解釈でもかまいません。まあこの家は広いのでそんなにプライバシーも気になりませんしなんでしたらお部屋を増やしても大丈夫ですから」
「そうなのか」
「ええ」
といって菊は懐から屋敷の見取り図を取り出した。
「これがないと最初の1ヶ月は屋敷の中で迷子になってしまいますから持ってください」
「そんな広いのか!? この屋敷」
「案内しますからついてきてください」
「えっ いいのか?」
「覚えてもらわないと困りますからね」
俺と菊は邸内を歩き回った。
「やっぱり結構広いな・・・ 歩きつかれたぜ」
「そうですね 爺にはつらいです・・・」
「何言ってやがるんだ お前、俺より若けーだろ」
「こう見えても私はあなたよりも年上なんですからね」
「そうなのか!?」
東洋人とは年齢不詳なのだと言うことを実感させられたような気がする。
「まあ 邸内はこんなものですね あとはあなたの部屋ですね」
「ああ そうだな」
「事前に送られてきた荷物は部屋に置いてあります。荷物は結構少なめでしたね」
「男の荷物なんてそんないらねえよ 早く部屋みせろや爺」
「ふふ これが鍵です。一応外出時は閉めといてくださいね」
「おお 了解」
俺の部屋は3階建ての洋館の一番端らしい。斜め向かいと2つ隣に人が住んでるらしいが今は不在と菊が言っていた。
「結構広いんだなこの部屋」
部屋は自分が今まで住んでた家がすっぽり納まるほど広く、ベッド、テーブル、ソファ、テレビにPCまでついている。
「PCまでいいのか」
「ええ PCがないと生きてはいけないと知っていますから」
「そうなのか・・・」
「まあ ブログも続けたいでしょ?」
「ブログやってるの知ってるのか?」
「ええ ルートさんに聞きました」
「他の住民は仕事か?」
「ええ 今日はギルベルトさんの歓迎パーティーのためにシフトをずらしたんですよ」
「へ~ そりゃありがてーな あっビール用意しとけよ!あれがないと全然始まらねえよ」
「あなたの好みはルートさんから聞いてるのでそれに合わせて作りましたよ」
「おっ 夕食が楽しみだな」
菊としばらくの間雑談をした後、俺は部屋の片付けを始めた。
「あっ 部屋の片付け手伝いますよ」
「いいのか?」
「今日は仕事は開けてあるので構いませんよ」
「そうかありがてえな じゃあ頼む」
俺が家からこっちに持ってきた物と言えば衣類とぐらいなのだが手伝ってくれるのなら嬉しい
「本当に荷物少ないんですね」
「こっちでも手に入ると思ってな 大体、この部屋はなんでこんなに収納があるんだ」
クローゼットやたんす、ラックが備え付けられているだけでも十分なのにベッドの下にまで収納があるというのも驚きだ。
「あなたみたいに軽装でくる人はそんなにいませんからね」
「そういうもんか?」
「そうです」
「まあ これで終了ですかね じゃあお茶でも入れましょうか」
「さっき飲んだだろう」
「爺には適度な休息が必要なんですよ」
「ケセセセ じゃあ今度は茶代わりにビール出せよ」
「食事の時までのお預けですよ」
「ふんっ そうかよ」
まあこれも俺なりのジョークなのだが目の前の大家は本気かと思ってるような目をしてる。
「悪いな 片付け手伝ってもらって・・・えっと・・・」
「菊でいいですよ。別に年功序列制でもありませんし」
「そうか あるがとな菊」
「いえ 大家の務めです」
にこりと微笑んで菊は部屋を出て行った。
「それにしても・・・なんでアイツ俺の下着見て顔赤くしてたんだ・・・?」
若干の疑問は残るが夕食を楽しみに待つことにした。

とは言ったもののまだ午後2時過ぎで夕食までは早い。この間に消耗品を買ってこようと思った俺が菊にその旨を話すと自分も食材の買出しに行くところだと言って付いて来た。
「早いうちから地域には慣れてもらいましょうかね」
「そうだな まあ俺様のかっこいい面を見れば町の女の子達は俺に一瞬で惚れちまうぜ」
「・・・・ あっこっちがスーパーですよ♪帰りに寄ってきましょうね」
「あってめえ 俺様の超かっこいいセリフスルーしやがったな!!」
「なんの事やらさっぱりです 雑貨屋さんはこっちですよ」
「そうか・・・って ずいぶん可愛い店だな・・・おい」
「おや? ルートさんからギルベルトさんは可愛いものが好きだって言っていましたよ」
「この俺様が可愛いのが好きなわけ・・・」
「ふふふ 隣に普通の雑貨屋さんがあるのでそっちに行きましょう」
「あっ でもこの時計とティーセットは買ってく」
「そうですか・・・」
なぜか菊は俺を見て苦笑していた。
「そういえば金のほうはいいのか? こんなに買ってもらって」
「ええ 出世払いです」
「そうか 悪いな」
買出しののお金は菊の財布からでてきた。俺が出そうとすると「出世払いです」と言っていつも自分で出してきた。
そして菊が今日の料理の時に使うという調味料などを買っていた。買い物が終わると時間は4時30分を少し過ぎたところ。俺達は帰路についた。
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