「クロノと休日シリーズ(×ザフィーラ)」
クロノの休日にクロノが色々な人と一日を過ごすシリーズの二話目です。
ちなみに「×」に特に意味はないですからね!誘ったのがクロノっていうだけだもん!


クロノ・ハラオウン執務官は久しぶりに取得した休日にザフィーラを誘って買い物に出かけた。
「悪いな 急に誘ったりして」
「別に構わない 俺も暇を持て余していたところだ」
ザフィーラはいつもの獣体ではなく人間の姿でクロノの隣を歩いていた。
「んで 何処へ行くんだ?」
「別に決めてはいないが どこか行きたい所はあるか?」
「そうだな・・・ とりあえず服を見繕いたいのだが」
「服? 君もそういうのを気にするのかい?」
「失礼な奴だな 最近はさっぱり人間になっていなかったから着る服が見つからなかったんだ」
「道理でそんなに薄着なんだな」
ザフィーラはタンクトップにハーフパンツしか着ていなかった。あったかそうとは思えなかった。
「それなら近くに大型のショッピングモールがあったはずだからそこに行くことにするか」
「そうしてくれ それと私の服も見繕ってはくれまいか?」
「僕にそんなセンスはないさ 良いアドバイスができるとは思えない」
2人は近くのショッピングモールに入った。そしてカジュアルな紳士服店に行った。
「こういう類のものでいいのだろうか?」
「普段着ならそれでいいと思うぞ」
女性連中と買い物に行くと大体、数時間をかけて一つの商品を選んだりもするのだが男同士の買い物なら大して時間はかからなかった。
「ならこれを購入にしてしまおう 買ってくるから待っていてくれ」
ザフィーラはレジで商品を購入すると試着室に入って買った服を着て出てきた。
「これは変ではないか?」
「大丈夫だ 問題ない」
「そうか」
2人はしばらくモールの中を歩き回った。もともと口数の少ない2人だから会話はそう多くない。
「そういえば ザフィーラ」
「なんだ?」
「アルフとはうまくやっているのか?」
動揺したザフィーラが少しよろけた。
「何故、今このタイミングでそんなことを言うんだ!?」
「お前の浮いた話って言ったらそれぐらいしかないだろう」
「別に進展などしていないしさせようともしていない」
「そういうお前はどうなんだ? ハラオウン」
「僕にはそういうのは全然ないな・・・」
「・・・この鈍感男が・・・」
「なんか言ったか?」
「別に」
クロノは不思議そうな顔をしてザフィーラを見た。ザフィーラはやれやれというような顔をした。
「そういえば 腹は減っていないか?」
「もうそんな時間か・・・」
「何か食べたいものがあればまかせるけど?」
「特に食したいものはない お前にまかせる」
はっきりとした自己主張をあまりしない2人だとどうしても話が平行線に行ってしまう。
「じゃあ ファーストフードはどう? 栄養は低いが手がるだぞ」
「俺は養分を取らなきゃいけないくない程度には成長している」
ザフィーラはちらりとクロノの方を見る身長の低いクロノはそれがコンプレックスでもある。
「別に食べてないわけじゃないんだからな 一応食べてはいるのだが・・・」
「ちなみに朝牛乳を飲むと身長が伸びるっていうのは当てにならんぞ」
「そうなのか!?」
「お前は魔力成長に力を注ぎすぎたんだろう すぐに成長期が来るさ」
しょんぼりしているクロノにザフィーラは慰めの言葉を掛けてやる。
「蕎麦でも食べたいな 案内してくれないか?」
「蕎麦? かまわないけど」
クロノはレストランフロアに着くと案内板を見て蕎麦屋を見つけた。
「なんとなく蕎麦が食べたくなってな」
「そうか まぁいいんじゃないか?」
店は昼時ということもあり少し混んでいた。しばらく待っていると店員に席に案内された。
「何にするかな・・・」
「俺はこの鴨ねぎ蕎麦という奴にするぞ 肉が入ってるからな」
「僕は掛けそばにでもしようかな・・・」
「全く・・・ だからお前は小さいままなんだ」
「どういう意味だい?」
「そいういう時は天ぷら蕎麦セットに決まっているだろうが」
「そんなに食べる程何かしたわけじゃないぞ」
他から見ればムキムキ男と少年がメニュー指差しながら言い合いしているようにしか見えてなかった。
「阿呆が お前のような奴は食べたものはすべて成長に回る。たくさん食べないでどうする。ということでお前が頼むのは天ぷら蕎麦セットだ。」
「まぁ君がすすめるというならそうしない事はないが・・・」
「じゃあ決まりだな」
ザフィーラはさっさと注文を済ませてしまった。
「その・・・まぁ 強引で悪かったな」
「いきなり態度を覆すか 君は」
「そうでもないとお前は成長しないだろう 差額ぐらいは出してやるさ」
「大丈夫だ 別に金が無いから掛けそばにしようとしたわけではない」
クロノは出された蕎麦茶をすすりながらザフィーラに応じた。
「そういえば お前は甘党なのか? ハラオウン」
「僕は甘いものはそんなに好きではない 母さんが好きだからその反動かもな」
「そうか 前にリンディ提督が緑茶に砂糖を入れていたのを思い出してな」
困ったような顔をしてクロノは呟いた。
「あそこまで甘党だと 将来、どうかなっちゃいそうな気もしてね」
「ほどほどにさせておいてやるのも親孝行だ 味付けにはちみつや水あめを使えば甘いけれどもそこまで危険視するものではなくなることもある」
「詳しいんだな 料理をするのか?」
「過去の記憶だ」
ザフィーラもお茶をすする。そして少し驚いたような顔をする。
「この茶は中々うまいと思わないか?」
「蕎麦茶というものだ 蕎麦の実から作られてるものだ」
「シャマルあたりが好きそうな感じだな あいつは年増の主婦みたいな生活してるし」
本人が聞いたら周囲の人が引くぐらい殺気を持った目で見てきそうなことを言ったザフィーラはまわりを確認する。
「嫌な癖を付けたものだな・・・」
「あれ(シャマル)は怒りっぽいところがあるからな 自分のだけあれの作った夕食を食べさせられそうだ」
「君も苦労をしているんだね・・・」
「お互い様だ お前だって個性的な女達に囲まれてるだろう」
「べっ別に囲まれてなどいない!」
クロノが顔を真っ赤にして否定した頃、注文したものが運ばれてきた。
「鴨ねぎ蕎麦と天ぷらそばセットお待ちど~」
何故か軽いノリの店員にテーブルに置かれたそばからは湯気が漂っている。
「それでは頂くか」
「そうだな」

2人はしばし雑談をしながら昼ごはんを食べ終えた。
「午後はどうしようか?」
「俺の買い物は終わったから別に何もないぞ」
「僕は特にないんだが・・・じゃあ 雑貨屋でも行こうか」
「何か買いたいものでもあるのか?」
「フェイトに何か土産でもと思ってな」
「なら俺も主やヴィータ達に土産を残していこうか」
「そうしてやるといい」
雑貨屋にはファンシーなグッズからレトロなお菓子まで様々なものが置いてある。
「フェイトには何をあげれば喜ぶだろうか・・・」
「シャマルには昼ドラ用のせんべいと泣きシーン用のハンカチ、主には小フライパンとおたま、ヴィータには駄菓子の詰め合わせ、シグナムには・・・」
クロノが義妹のフェイトへのプレゼントを考えているときザフィーラはすでにはやて達へのプレゼントをかごに入れていっていた。
「フェイトが欲しがっていそうなものか なんだろうかな・・・」
「シグナムには手鏡だな髪のセットに苦労しているだろうし、リーンにはミニチュアのたんすにしようか」
ザフィーラは順調にお土産をかごに入れている。クロノは相変わらず悩んでいる。
「ハラオウン 土産は決まったか?」
「ん~ フェイトには何をあげれば喜ぶだろうか・・・」
「お前がやるものならなんでもいいのではないか?」
「確かに僕があげるものを喜ばないことはないのだが・・・」
ザフィーラは「兄馬鹿め・・・」としか思えなかった。
「このタオルとか手触りが良さそうだしこれにしようか」
「それに決めるのなら早くレジへ買ってしまおう」
「それと母さんにも何か買っていくか さっきの蕎麦茶って奴と甘い菓子かな・・・」
「選んだらさっさと買ってしまおう」

クロノとザフィーラは買い物を済せてモールの外に出た。空はオレンジ色になりかけている。
「もう夕方か・・・」
「今日は時間が早く感じるな」
「そうなのか?」
「お前と一緒だったから充実してたということだ 今日はありがとうハラオウン」
ザフィーラは別れ際にそう言うと行ってしまった。クロノはしばしポカンとして道に立ち尽くしていた。

その夜、八神家にて
「それでクロノくんと買い物に行ってたんか」
「ああ それでこれが土産だ」
「あたしの分もあるんだろうな!」
「全員分買ってきてある」
「随分と太っ腹なのね どうかしたの?」
「別に他意はない」
「リインの分もあるんですね~ わぁうれしいです」
「悪いなぁ、ザフィーラ お金つかったやろ?」
「普段使っていないのだからたまに無駄使いもいいだろう」
「・・・人を喜ばせるための金なら無駄ではないだろう」
「まぁそうだな」

ハラオウン家にて
「お土産買ってきてくれるなんて クロノも成長したわねぇ~」
「母さんにはお茶とお菓子を買ってきた」
「中々おいしそうなお茶ね ミルクに合いそうだわ」
「フェイトにはハンドタオルだ 使ってくれるか分からないが」
「クロノが買ってきたものなんだからたくさん使うよ」
「そうか」
「さっそく貰ったお茶を入れてみようかしらね~」

たまには家族サービスもいいと思うクロノとザフィーラであった。
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